Tokyo Zombi

映画の感想を書きます。全米の週末ランキングもまとめてます。

『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』ダーク・ユニバース・プロジェクト始動!

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本作はユニバーサル・スタジオが手がけてきた「ユニバーサル・モンスターズ」と呼ばれた伝奇的な怪物映画のリブートシリーズである「ダーク・ユニバース」プロジェクトの第一弾作品です。

早い話が「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」のパクリライバルでして、興行収入的にはCMの通り「トム・クルーズ主演映画史上、全世界オープニング総興収No.1!」とのことなのですが…評判のほうがおやおや?といった様子です。

※ストーリーのネタバレはしていません。

モンスター映画としてはイマイチ?

この「ダーク・ユニバース」の売りはもちろん各映画の主役となるモンスターなのですが、本作では画像右の呪われた砂漠の王女こと「アマネット」です。古代エジプトの神秘的なビジュアルで美しさは感じられるのですが、モンスターとしての活躍が少なく恐ろしさや強さはそれほど伝わってこなくて…。

人知を超えたパワーが「ものすごく早く動く」「砂嵐を起こす」など既視感バリバリだった結果、『X-MEN』に入れそうだなぁ…という印象に。

アマネットのしもべである野良ミイラたちがゾンビのように襲ってくるシークエンスもあるのですが、個人的にはそちらのほうが楽しめました。森の中で車を運転していると、なぜか上から降ってくるミイラたち笑。木の上で待つように命令されてたのかな?大量生産のゾンビよろしく、ぞんざいな扱いも受けていてちょいちょい笑って観てました。

アクション映画としてはそこそこ?

トム・クルーズといえばビルを登ったり飛行機にぶら下がったり、ノースタントで危険なアクションに挑戦しがちですが、今回も山の斜面をゴロンゴロン転がったり、車でグルングルンしています。

そんななかでトムが生き生きとしていた反面、それらのシーンではストーリーが停滞する点はマイナスかな、と思います。

トムの演じたキャラクターは正直なところ何を考えているのかわからなくて、状況に流されるがまま逃げたり闘ったりをしているわけですが…。アクションゲームの主人公のように、ゲームオーバーを避けるために飛んだり跳ねたりしているだけのようでもありましたね。

ただし、ヒーローもヒロインも○○○○もトムという「トムによるトムのためのトム映画」としての完成度は激高です!

↓ トム渾身のスタントシーンのメイキング。


The Mummy Sneak Peek: Tom Cruise, Stuntman | SYFY WIRE

「ダーク・ユニバース」プロジェクトのこれからは?

評価は散々とも言えますが、興行的には成功したのでしっかりと次回作以降も製作されると思います。公開順も決定済みなのでおさらいをしてみます。なお『ザ・マミー』以外のタイトルは過去作に準拠した仮タイトルです。

  1. ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』The Mummy(2017年)
  2. フランケンシュタインの花嫁』Bride of Frankenstein(2019年
  3. 『大アマゾンの半魚人』Creature from the Black Lagoon(以降未定)
  4. 『透明人間』Invisible Man
  5. ヴァン・ヘルシングVan Helsing
  6. 『狼男』Wolf Man
  7. フランケンシュタイン』Frankenstein
  8. 『魔人ドラキュラ』Dracula
  9. 『オペラの怪人』Phantom of the Opera
  10. ノートルダムのせむし男』Hunchback of Notre-Dame

タイトルだけを観てもわかるようにホラーテイストな作品が多めです。『ザ・マミー』でも一部ホラー的な表現もあるにはあるのですが、人知を超えたパワーを恐怖として描くのではなく、カッコよく見せようとしすぎて素材の良さが発揮されていなかったように思います。同じ原作のリメイクである『ハムナプトラ』もアクション・アドベンチャー映画としてヒットしてしまったのでムリもないですが…。

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キャストも一部決定しており、透明人間はジョニー・デップが、フランケンシュタインハビエル・バルデムが内定済みです。MCUの各ヒーローの橋渡し役であるニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)の役割は、ラッセル・クロウ演じるヘンリー・ジキル博士が務めます。彼の描き方も個人的にはおもしろかったです。

ここまで大々的にシリーズ化と銘打ってしまったので次回作以降も失敗は許されないはず…。かなり大金を注ぎ込んで製作されるでしょうから、そこそこの出来以上にはなると思いますので、引き続き期待していこうと思います!