ベイビー・ドライバー
あらすじ:愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない
T・ジョイPRINCE品川のシアター8で鑑賞。IMAX以外のスクリーンは初。ちょっと見上げるタイプだけどシートは快適。
※ストーリーのネタバレはありません。
エンドクレジット中にニヤニヤが止まりませんで。そのまま2回戦に突入したい気持ちをグッとこらえて帰宅しましたよ。『ドント・ブリーズ』もそうだけど、ソニー・ピクチャーズはなんでこんなに公開館を絞るんだろう。もったいない。
カーチェイス版『ラ・ラ・ランド』とかいう一部のシーンと話題性狙いだけでつけられたような文句が霞むくらい、強盗映画&カーチェイスへの愛に溢れた作品ですね。
『ブリット』『フレンチ・コネクション』『ミニミニ大作戦』『ヒート』…さまざまな作品へのリスペクトを感じる疾走感と緊張感。
加えてミュージックビデオを観ているかのような音と映像と“音楽”の融合がずーっと味わえて気持ちよさがハンパないし、恋愛&青春映画のように若々しい熱量もヒシヒシ感じます。えーと、つまりもういろんな感情を揺さぶられて高揚しっぱなしだったんですよ。
クライム・ムービー定番の何かが起こりそうな一触即発の雰囲気がなんどもなんどもあって(もちろんスカシもあるんだけど)いざ爆発したときの勢いが花火のスターマインのよう。心臓にドカンと響くほどの衝撃がリズミカルに、しかも色鮮やかで惹きつけられてしかたない。
B-A-B-Y、ベイビーのぶっきらぼうな、でも緊張してビビっているかのような、でもじつは全然なにも感じていない表情も最初は灰色。それがとある出会いでビビッドに彩られ、赤青黄色のランドリーのようにクルクルと胸躍る若々しいトキメキに変わる!このあたりのシーンがなんかもうじぶんのことのように嬉しくて嬉しくて。
最初はちょっと思ってました。ただ超絶ドライビングテクニックを持つだけの無口な男が、魅力的な主人公になり得るのかしら?なんて。そんな不安を置き去りにしてロケットスタート!ダイナ―で繰り広げられる「名前×音楽」のオシャレな会話にキュンキュンすんぞっ。
寡黙なベイビー(思ったほどではないけど)に変わってケヴィン・スペイシーやジェイミー・フォックスがべしゃりまくってくれます。ちょっとした登場人物にも味があって、でもそれがただ目立つだけじゃないキャラの適度な濃さにはムダがないなぁって感じますね。
もちろんエドガー・ライトらしい笑えるシーンも。マイク・マイヤーズ(『オースティン・パワーズ』)とマイケル・マイヤーズ(『ハロウィン』の殺人鬼)のマスクを間違えるくだりには場内爆笑。
ハイライトは「Pizzaaaa!!」のシーン。エドガー・ライト⇒サイモン・ペッグ&ニック・フロスト⇒『宇宙人ポール』と連想して笑ったじぶんと相方、そしてとなりのオジサン、3人の心がひとつになったのを感じた…。これだから映画館通いはやめられない。
余談
ちなみに冒頭6分の映像が公開されておりまして。これだけでもホレるひとが続出するはず。
エドガー・ライトが2002年ころに手がけたMVでほとんど同じことをやってました。アイディアはすでにあったということですね。なにこの完成度。
観終わったあとにキャストを見てレッチリのフリーに気づく。不覚。他にもいろんなミュージシャンが出ているらしいです。