三度目の殺人
(公式サイトより)
なかなか観ごたえありましたね。是枝監督作品って数本しか観ていないんですけど、ホームドラマっぽいイメージが強くて、もうそろそろ観なくてもいいかなぁって思ってたらいきなりの法廷サスペンスでびっくり。劇場予告を初めて観たときも(えっこれ是枝?)って思いましたし。
あらすじ:真実が行方不明になります。
※ネタバレはありませんが、何も知らずに観たい!という人はぜひ鑑賞後に読んでください。
(予告編より)
まず役所広司さんの演技がすごいですよね。狂ってるのか計算なのか、この煙に巻く感じは相手にすると疲れそう。殺気立ったヤバさじゃないから余計に不気味。深層心理まで理解して演技したのかなぁ。気になる。
広瀬すずちゃんもね、斉藤由貴さんとのシーンでお互い引っ張られたのかわかんないですけど、崩壊寸前の関係が生々しく感じましたよ。今まで「家族」にフォーカスを当てた映画を作ってきた杵柄でしょうかね、ベクトルは逆なのにえぐいくらいに写実的。
福山さんはいつもの福山さん。安心。
(予告編より)
話としては、ころころと主張の変わる役所広司の狙いだとか、その裏に隠された真実も気になるところですが、日本の司法に隠された闇のようなものを描いた点に監督の込めたメッセージを窺い知ることができます。
予告編でも「ここでは本当ことを誰も話さない」と語られてますが、「生きること」「勝つこと」「真実」のなにが正しくてなにが良いのか。価値観を揺さぶるものがあるんじゃないでしょうか。
ミステリーを期待すると欲しいものが得られるとは限りませんが、逃げつづける真実を推理することもまた自由な楽しみかたですよね。いろいろとメタファーに感じるものもありますので、2度の鑑賞にも堪え得る作品じゃないかなと思います。
(予告編より)
余談ですが、本作の満島真之介くんはいつもと違う印象を受けたのですが、続けて観た『散歩する侵略者』ではいつもの雰囲気でした。顔からして違って見えたけど、なんだったんだろう。演技力のなせる業?監督の演出?どっちも役としてはマッチしてます。