猿の惑星: 聖戦記
あらすじ:猿は静に暮らしたい
※ネタバレしています。
新3部作ラストにふさわしいハデかつ感動的な展開。そしてまさかの脱出アドベンチャー要素盛り込み。コーネリアスやノバ(ノヴァ)など、ついに原典への布石が…。これで終わりなのがもったいないです。
旧5部作のコーネリアスやシーザーの物語との直接的な繋がりはないにしても、パラレルワールドや同じ血筋ととらえて想像する楽しみのあるオマージュに思えます。ちょっとムリはありますが、最終的にあそこに回帰(ループ)していくと妄想してもおもしろいです。旧作にはタイムトラベル要素もあったのでもしかしたら…と思うとワクワクしますね。
序盤、人間軍のなかにいるゴリラやボノボ。(えっ!もしかして猿軍と人間が手を組んだ!?)って思ったら逆で。まぁそうですよね。「知能を持った猿と人間の同盟軍」という展開があるかと期待していたのでドキドキしたのですが、まぁいくら衰退してもそれが自然ですかね。
そうそう、その前のタイトル出しがかっこいい! RISE(創世記)、DAWN(新世記)ときて…WAR(聖戦記)!しかもドドーンと大きく出さない渋さですよ。
今作では中盤以降の『大脱走』っぽい展開がとくにおもしろいですね!
コメディリリーフであるチンパンジーのバッド・エイプくん登場で、心が荒む一方のシーザーを中心としたシリアス路線が中和されて、でも話の筋はブレることなくうまいこと綱渡り。
そこからウディ・ハレルソン演じる大佐の基地からの脱出作戦へと。基地でのいざこざも他作品での既視感はあるんですが、それを猿がやっているというだけでなぜか目新しく思えます
新3部作では「猿インフル」なる病気で人間の衰退が説明されていますが、まさか退化の原因にまでなるなんて!うまいことまとめたなぁと思います。大佐の末路も想像どおりですが、それまでの存在感が強烈です。銃を撃つ知力すら失ってしまい絶望する最期でもよかったですね。
まぁ人間の自滅っぷりは冷静に考えるとアホですが…(雪山でミサイルだなんて!)、猿の安息地も見つかり、これでほんとうに猿の惑星になるんだなぁと物思いにふけりながら、シーザーと同じくしてこの世界からフェードアウトしたのでした。