ゴッホ 最期の手紙
これはすごい…。
TOHOシネマズ上野にて。芸術の聖地ってポジションからミニシアターっぽいラインナップかと思いきや、秋葉原も近いのでアニメに力を入れていくようですね。
※ネタバレはありません。
ゴッホ風の油絵でアニメーションを制作したってだけでも脱帽なのですが、実写撮影→それを基に絵を描く→アニメーションとして撮影、という何倍もの手間をかけているというね…。
エンドロールで演じた役者さんと基となったゴッホの絵画が紹介されるのですが、再現度の高さがハンパじゃあないですね。ゴッホの構図もさりげなく織り込んでいたりするところが憎いです。
制作風景を見るに、トレースではなく模写っぽいですよね、これ。まぁなんという。しかもどうやら「似ているレベル」ではなくかすれまで再現するほどのクオリティを要求されていたようで。
話も個人的には意外で、予告編を観る前はそもそもがゴッホのモキュメンタリ―とかだと思っていたら、全編ゴッホ絵のアニメーションと知り、さらにはサスペンス・ミステリーものだというから驚きでした。
なぜゴッホは自殺したのか、そもそも自殺は本当なのか。交流を持った人それぞれに異なる印象を遺したゴッホの真実を追う、とてもサスペンスフルな作品に仕上がっていました。見た目の奇抜さだけでなく中身も骨太でした。
各国からアニメーションやストップモーションアニメなど、高品質な作品が年々生まれていますが、本作も一見の価値ある作品と言えます。