アウトレイジ 最終章
※ネタバレはありませんが、予告編から画像を引用しています。
最終章ということでまとまりはよかった感じですが、『アウトレイジ』『アウトレイジ ビヨンド』と比べると勢いが足らないかなぁという印象でした。『ソナチネ』と比較されることも多いようで、エンタメ路線から回帰しての〆といった感じでしょうか。
ふーみん(小日向文世さん)がいなくなったせいか、裏で手を回してこねくり回す役が敵対するもの同士になってしまって、第三者が漁夫の利を得るえげつなさも薄めでしたね。野心を持って積極的に動いていた人間がほとんど死んでしまったので、みんな保身に走るばかりなのはしかたないのかなぁ。
相手の裏をかく(かけてない)がそのグダグダさを含めても前作までと比べてパワーダウンしてるし、イキって挑んだ相手が大物すぎて軽くあしらわれるのも緊迫感がないので、シリーズ名物の転落人生を楽しめるのがだいぶ先送りにされてしまって残念です。
物語の起点となったピエール瀧さんを中心にして混乱と騒動が巻き起こるところは、シリーズお馴染みの「威勢はいいのに実の伴わない」人物像がドンドン活躍=つまりは没落していくって感じでいいですね。
塩見三省さんが無事に出演されていることが嬉しくもあり、ドキドキでもあり。前作に比べると(萎れたみたいに元気ないなぁ)と思う反面、怒号飛ばすシーンでは(大きな声出してだいじょぶかなぁ)って心配でした。複雑な気分で観てましたよ。
なんやかんや言いましたが、始まり終わりとも雰囲気がよく、きれいにまとまった感もあってよかったですよ。落としどころとしてはあれでよかったと思います。ちょっと切なくもなってしまいますね。
死んだ人が多すぎて役者いなくなっちゃうからもうホントに終わりらしいですし、次は純愛ものとかいう話ですよね。またエンタメが撮りたくなったら、シリーズファンとしては大友の若いころの話とかも観てみたいなーと思いますね。